2025年の夏は本当に厳しかったですね。9月に入ったところですが、まだまだ連日の猛暑と熱帯夜。人間もぐったりですが、庭の多肉植物たちも悲鳴を上げていました。
我が家の多肉たちも例外ではなく、夏の間に次々と不調のサインが…。30℃を超えるようになってからサンシェードで遮光対策(遮光70%)していたのですが、それでも不調が出ています。

今回は、そんな猛暑でダメージを受けてしまった多肉たちの写真とともに、何が起きていたのか、そしてこれからどうすれば元気に復活してくれるのかを、覚書に残しておきます。
ケース1:センペルビウムが1株だけ茶色く枯れてしまった…
【症状】
寄せ植えのセンペルビウム ジョビバルバが、中心の1株だけ茶色くカリカリに枯れてしまいました。不思議なことに、すぐ隣にある緑のセンペルビウムはピンピンしています。

【考えられる原因】
これは、夏の多肉植物にとって最も恐ろしい「高温多湿による蒸れ」が一番の原因だと考えられます。他のセンペルビウムジョビバルバも、葉の色が褐色になったり、調子が悪くなっていっている個体がいくつかあります。
- 蒸れと根腐れ: センペルビウムは本来、涼しく乾燥した気候を好む植物。日本の高温多湿な夏は苦手で、休眠期に入ります。そんな時期に株が密集していると風通しが悪くなり、土の中の水分が熱せられてサウナ状態に。結果、根が傷んだり、株自体が腐ってしまったりします。隣の株が元気なのは、風通しや水はけの微妙な違い、個体差によるものかもしれません。
- 開花後の枯死: センペルビウムは花が咲いた後、その株(ロゼット)が枯れる「モノカルピック」という性質を持っているので、もし枯れた株から花が咲いていたのであれば、それは自然な世代交代なのですが、花が咲いていませんでした。
【今後の対策】
- 枯れた株をすぐに取り除く: 枯れた部分を放置すると、カビや病気の原因になります。ピンセットで優しく取り除きました。
- 風通しの確保: 秋になり涼しくなってきたら、密集している部分を株分けしたし、隙間に新しく植えたり、風が通る隙間を作りつつ、調整しようと思います。
- 来年の夏対策: 来年の夏も、梅雨明け頃から直射日光の当たらない明るい日陰や、風通しの良い場所に移動させ、水やりは断水気味(月に1〜2回、夕方に土を軽く湿らす程度)に管理します。
ケース2:白雪ミセバヤが全体的にしょんぼり…
【症状】
小さな花のような葉が可愛い白雪ミセバヤ。全体的に元気がなくなり、葉のいくつかが茶色く枯れてしまっています。

【考えられる原因】
白雪ミセバヤも、日本の夏の高温多湿が苦手なセダムの一種です。原因は「夏の暑さによる衰弱(夏バテ)」でしょうか。
- 高温障害と蒸れ: 細かい葉が密集しているため、熱がこもりやすく蒸れやすいのが特徴です。強い日差しと高い気温で体力を消耗し、葉を落としてしまうことがあります。
- 水管理の失敗: 暑さで土がすぐに乾くため水切れを起こしたか、逆に良かれと思って水をあげすぎて根が傷んでしまった、両方の可能性が考えられます。
【今後の対策】
- 置き場所の見直し: まだ猛暑が続くので、直射日光は朝日のみ。風通しの良い日陰に移動させて、株を休ませます。
- 枯れた部分のカット: 茶色くなってしまった葉や茎は、思い切ってカットします。風通しが良くなり、株の負担も減ります。
- 秋の復活に期待: 秋になって涼しくなれば、また新しい可愛い芽を吹いてくれる可能性を信じて、諦めずに見守ります。秋に水はけの良い土で植え替えてあげるのも効果的です。
ケース3:エケベリアの葉が真っ黒にドロドロ…!
【症状】
エケベリア「ダークロード」の葉が、付け根から真っ黒になり、触るとドロっと溶けるように崩れてしまいます。他の葉は元気そうに見えても、順番にダメになっていきます。一番下から。。。とかではなく、右や左など、ランダムに。。。

【考えられる原因】
通称「ジュレる」でしょうか。高温多湿による「細菌性の腐敗(軟腐病など)」が考えられます。
- 高温+多湿のコンボ: 夏の高温時に、葉の間や株元にたまった水が原因で細菌が繁殖し、株の組織を破壊してしまいます。まるで煮えてしまったかのように、葉が半透明になったり、黒くドロドロになったりします。
【今後の対策】〜緊急処置必須!〜
- 腐った葉の除去: 発見次第、すぐにドロドロになった葉を取り除きます。健康な部分にまで菌が広がらないよう、少し多めに葉の付け根からしっかり取り去るのがポイントです。
- 茎のチェック: 葉を取った後の茎が黒ずんでいる場合は、病気が進行しています。その場合は、健康な緑色の部分までカッターなどで切り戻す「胴切り」を行い、切り口を数日間乾かして再生を待ちます。
- 断水と殺菌: とにかく株を乾燥させることが重要です。しばらく水やりはストップし、風通しの良い場所に避難させます。心配な場合は、ベンレートなどの殺菌剤を散布するのも有効です。
- 予防が一番: 夏場の水やりは、夕方の涼しい時間帯に、葉に水がかからないよう株元にそっと与えるのが鉄則です。
ケース4:高砂の翁の葉に広がる謎の斑点
【症状】
フリルのような葉が美しい高砂の翁に、茶色や黒っぽい斑点がポツポツと現れました。他の高砂の翁にも見られますが、隣にある別の種類のエケベリアには症状が出ていません。


【考えられる原因】
品種によって夏のダメージの出やすさが違う良い例でしょうか。調べてみたら、考えられる原因はいくつかあるようで、どれなのかがわかりにくいのですが…
- 葉焼け: 最も可能性が高いのが「葉焼け」です。急な強い日差しに当たったり、葉の上の水滴がレンズ代わりになって部分的に焼けてしまったりすることがあります。
- 病気(黒点病など): 高温多湿の環境で発生しやすい、カビが原因の病気の可能性もあります。
- 生理障害: 急激な環境の変化によるストレスで、シミのような斑点が出ることがあります。高砂の翁は葉が大きく薄めなので、他の品種よりデリケートなのかもしれません。
【今後の対策】
- 斑点の広がりを観察: まずは斑点がどんどん広がっていくか、数が増えていくかを観察!
- 広がらない場合(葉焼け): 斑点が広がらなければ、葉焼けの跡である可能性が高いです。一度できた跡は消えませんが、株の生育に大きな影響はありません。水が葉に当たらないように気をつけます。
- 広がる場合(病気): もし斑点が広がっていくようなら、病気の疑いがあります。症状が出ている葉を取り除き、殺菌剤を散布して様子を見ましょう。
まとめ:秋は多肉の復活シーズン!
みなさんの多肉は、今年の猛暑でダメージを受けませんでしたか?
対策、万全でしたか?
秋は多肉植物にとって最高の生育期です。
夏の失敗から学んだことを活かし、
- 風通し
- 遮光
- 水やり管理
この3つをしっかり見直してあげれば、きっとまた元気で美しい姿を見せてくれるはず!
秋〜冬の紅葉を楽しみにお手入れしましょう。
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